書籍名:『ストーリーとしての競争戦略』(著者:楠木 建)
日時:2020年12月20日~各章の紹介
第1章 戦略は「ストーリー」
ストーリーの戦略論とは何であり、何ではないかをお話しし、ストーリーとしての競争戦略という視点を明らかにします。
第2章 競争戦略の基本論理
本題に入る準備として、競争戦略というものの考え方が立脚している基本論理について、その本質部分をおさらいします。
第3章 静止画から動画へ
「筋の良い」ストーリーとは何か、優れた戦略ストーリーの条件についてお話しします。
第4章 始まりはコンセプト
ストーリーとしての競争戦略のカギとなる二つの論点、具体的には戦略ストーリーの基点となる「コンセプト」と、ストーリーのキラーパスともいえる「クリティカル・コア」について話を深めたいと思います。
第5章 「キラーパス」を組み込む
ストーリーという戦略思考の最大の強みである持続的な競争優位の論理を明らかにします。
第6章 戦略ストーリーを読解する
ガリバーインターナショナルを例にとって、優れた戦略ストーリーの読解をしたいと思います。同社が構想し、現実に動かし、成功をもたらしたストーリーをじっくり読み取り、優れたストーリーの条件についての理解を深めることがこの章の目的です。
第7章 戦略ストーリーの「骨法10ヵ条」…それまでの議論のまとめとして、優れた戦略ストーリーを描くための「骨法」のようなものをお話ししたいと思います。
第1章 戦略は「ストーリー」
- 戦略の本質は「シンセンス(綜合)」
- 事象を構成よそに分解氏、そのうえで1つひとつの要素を個別に吟味するアナリシスのカタチを取るが、戦略にかぎてはシンセシスに神髄がある。
- 日本企業にストーリーが必要な理由
- 成熟した経営環境課では、個別の構成要素のレベルで競争優位を構築するのが困難である。その為、ストーリーという1つ上位レベルでの差別化が必要。
- 日本企業はポジショニングよりも組織能力に基礎を置いた「体育会系戦略論」に傾斜してきた。トヨタ生産方式は、カンバン方式、平準化生産といった構成要素のシンセシスであり、能力に軸足を置いた戦略ストーリーである。能力構築の積み重ねが競争力であるが、個別の取り組みと成果との因果関係は相対的に不明確になる。能力構築を重視する戦略は日本企業の独自性であるが、能力の戦略はポジショニングと比べて、時間的にも因果論理という意味でも「長い話」を要する。ポジショニングは意思決定できても、能力構築は意思決定だけではどうにもならない。個別の要素が成果につながるストーリーがあ意識されて、能力構築から競争優位を引き出す。
- 日本企業の組織と人々のモチベーションの在り方。欧米企業は機能分化、日本企業は提供する価値のありようを切り口に分化し、人々のコミットメントの基盤となる「価値分化」が強い。
- 成熟した経営環境課では、個別の構成要素のレベルで競争優位を構築するのが困難である。その為、ストーリーという1つ上位レベルでの差別化が必要。
- 日本企業はポジショニングよりも組織能力に基礎を置いた「体育会系戦略論」に傾斜してきた。トヨタ生産方式は、カンバン方式、平準化生産といった構成要素のシンセシスであり、能力に軸足を置いた戦略ストーリーである。能力構築の積み重ねが競争力であるが、個別の取り組みと成果との因果関係は相対的に不明確になる。能力構築を重視する戦略は日本企業の独自性であるが、能力の戦略はポジショニングと比べて、時間的にも因果論理という意味でも「長い話」を要する。ポジショニングは意思決定できても、能力構築は意思決定だけではどうにもならない。個別の要素が成果につながるストーリーがあ意識されて、能力構築から競争優位を引き出す。
- 日本企業の組織と人々のモチベーションの在り方。欧米企業は機能分化、日本企業は提供する価値のありようを切り口に分化し、人々のコミットメントの基盤となる「価値分化」が強い。
第2章 競争戦略の基本論理
- 競争戦略:特定の業界において、ある企業の事業がその競争の土俵で他社とどのように向き合うのかに関わる戦略。事業戦略とも言う。
- 全社戦略:複数の事業分野を持っており、どのような事業集合であるべきか。複数の事業のバランスをどのように構築して、全社的に最適な事業ポートフォリオにするか。どの事業に優先的に経営資源を振り向けるべきか。どの分野に進出して、撤退するべきかを考える戦略。
- 数字は戦略ではなく目標。目標や分析を戦略にすり替えてしまっている企業が多い
- 戦略とは他社との違いをつくること。
- 「競争がある中で、いかにして他社より優れた収益を達成し、それを持続させるか、その基本的な手立てを示すものが競争戦略」
- SP:Strategic Positioning ポジショニング戦略「他社と違ったことをする」
- OC:Organizational Capability 組織能力「他社と違ったものを持つ」経営資源を指すが、組織に定着している「ルーティン」だというのが結論。
- OE:Operational Effectiveness 程度問題としての違い
- SPの戦略とは活動の選択「何をやり、何をやらないか」明確なポジショニングによる違いを構築するためには「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決めることが大切。
- SPの戦略論を支えているのは「トレードオフ」。投入できる資源には限りがある。捨てない限り、資源が分散し利益が相反する。
- 「何をやらないか」をはっきりさせっれば、他社との違いを持続させることができる。
- OCのルーティンがなぜ模倣が難しいのか
- 因果関係の不明確さ
- 経路依存性:組織ルーティンは企業内部で長い時間をかけて形成される
- OCそのものが時間とともに進化すること。競合が追いつけない。
- SPの戦略論を支えているのは「トレードオフ」。投入できる資源には限りがある。捨てない限り、資源が分散し利益が相反する。
- 「何をやらないか」をはっきりさせっれば、他社との違いを持続させることができる。
- 因果関係の不明確さ
- 経路依存性:組織ルーティンは企業内部で長い時間をかけて形成される
- OCそのものが時間とともに進化すること。競合が追いつけない。
第3章 静止画から動画へ
- ストーリーはサッカーのパス繋ぎに似ている。SPやOCといったパスを繋ぎゴールを目指す。
- ストーリーを組み立てる柱『戦略ストーリーの5C』
- 競争優位(competitive advantage)
- ストーリーの「結」…利益創出の最終的な論理
- コンセプト(concept)
- ストーリーの「起」…本質的な顧客価値の定義
- 構成要素(components)
- ストーリーの「承」…競合他社との「違い」、SPもしくはOC
- クリティカル・コア(critical core)
- ストーリーの「転」…独自性と一貫性の源泉となる中核的な構成要素
- 一貫性(consitency)
- ストーリーの評価基準…構成要素をつなぐ因果論理
- ストーリーは「終わりから考える」
- WTP(顧客が支払いたいと思う基準)- C(コスト)=P(利益)
- 利益創出の最終的な理屈は「競合よりも顧客が価値を認める製品やサービスを提供できるか」もしくは「競合よりも低いコストで提供できるか」のどちらか。
- 戦略の大きな方針
- WPT(高価格、客が喜んで高い金を支払う)
- コスト
- ニッチ特化による無競争
- それぞれはトレードオフの関係にある
- 2つ以上の構成要素をストーリーでつなぐ
- 良いストーリーの条件(因果論理)
- ストーリーの強さ
- XがYをもたらす可能性の高さ、因果関係の蓋然性が高いこと。
- 例)量産すればコストが下がる。
- ストーリーの太さ
- 構成要素間の繋がりの数の多さ。
- 例)規格統一はコスト削減と営業体制の強化をもたらすなど
- ストーリーの長さ
- 時間軸でのストーリーの拡張性、発展性が高いこと。
- ストーリーの流れを作る因果論理を基準にして筋の良い戦略を作る。
- 1つひとつの構成要素が明確な因果関係でつながっていること。
- 施策が次の施策へつながっているさま。
- ベストプラクティスは「違い」を作る戦略を阻害する。
- ストーリー戦略は個別の打ち手で勝負するのではなく、因果論理でつながった打ち手の「合わせ技」を重視する
- 戦略は5W1H
- Where・When どの業界で競争するかという選択・いつ参入するか。
- What・Which SP「何をするか」「何をしないか」・「自社で内製するのか外注するのか」
- How OC「自社のユニークなやり方」から生まれる違い。
- Why 戦略ストーリーによってこれらをつなげる役目。SP・OCの一つひとつの違いがなぜ相互につながり、全体としてなぜ競争優位と長期利益をもたらすのか。
- DELLは小売りを捨てた、サウスはハブ・アンド・スポークを捨てた
- 流行りのコンセプトやベストプラクティスに乗ったとしても正しいとは限らない。
- 業界の常識の裏側を見ないといけない。
- よくある戦略にはWhyが無いのではないか?
- 戦略の理由付けに政府の構想ほど当てにならないものはない。
- 他の会社もベストプラクティスを求めている。だから自分のプランも正しい(ベストプラクティス)ではレッドオーシャンに突入
- 日々、習慣として情報を集めないと戦略は考えられない。
- P.234 「時代や業界の常識に反する」ことをしているが、良いか悪いかはストーリー全体の文脈でしか評価できない。
- 競争優位(competitive advantage)
- ストーリーの「結」…利益創出の最終的な論理
- コンセプト(concept)
- ストーリーの「起」…本質的な顧客価値の定義
- 構成要素(components)
- ストーリーの「承」…競合他社との「違い」、SPもしくはOC
- クリティカル・コア(critical core)
- ストーリーの「転」…独自性と一貫性の源泉となる中核的な構成要素
- 一貫性(consitency)
- ストーリーの評価基準…構成要素をつなぐ因果論理
- WTP(顧客が支払いたいと思う基準)- C(コスト)=P(利益)
- 利益創出の最終的な理屈は「競合よりも顧客が価値を認める製品やサービスを提供できるか」もしくは「競合よりも低いコストで提供できるか」のどちらか。
- WPT(高価格、客が喜んで高い金を支払う)
- コスト
- ニッチ特化による無競争
- それぞれはトレードオフの関係にある
- ストーリーの強さ
- XがYをもたらす可能性の高さ、因果関係の蓋然性が高いこと。
- 例)量産すればコストが下がる。
- ストーリーの太さ
- 構成要素間の繋がりの数の多さ。
- 例)規格統一はコスト削減と営業体制の強化をもたらすなど
- ストーリーの長さ
- 時間軸でのストーリーの拡張性、発展性が高いこと。
- 1つひとつの構成要素が明確な因果関係でつながっていること。
- 施策が次の施策へつながっているさま。
- Where・When どの業界で競争するかという選択・いつ参入するか。
- What・Which SP「何をするか」「何をしないか」・「自社で内製するのか外注するのか」
- How OC「自社のユニークなやり方」から生まれる違い。
- Why 戦略ストーリーによってこれらをつなげる役目。SP・OCの一つひとつの違いがなぜ相互につながり、全体としてなぜ競争優位と長期利益をもたらすのか。
- 戦略の理由付けに政府の構想ほど当てにならないものはない。
- 他の会社もベストプラクティスを求めている。だから自分のプランも正しい(ベストプラクティス)ではレッドオーシャンに突入
第4章 はじまりはコンセプト
- ストーリーは「競争優位」と「コンセプト」から始まる。
- コンセプトは「本質的な顧客価値の定義」
- 「本当のところ、誰に何を売るのか」を答えること
- コンセプトが詰められていればストーリーがシンプルかつ明確になり、それにかかわる人々に共有しやすい。(共有できなければ、力が分散される)
- 「なぜ」は戦略ストーリーにとって一番大切な問いかけ。
- 優れたコンセプトは「誰に」と「何を」をペアで考える。
- 「誰に」だけ「何を」だけでは静止画となる。
- 「誰に」と「何を」をペアで考えると動画になる。
- 動画のなかに「なぜ」がある。
- 動きの中で、なぜその顧客がその商品・サービスを求めるのか、喜ぶのか、お金を支払うのか、なぜ喜びが持続するのか、といくつもの「なぜ」が見えてくる。
- 戦略ストーリーにおいて独自のコンセプトは非常に重要。
- コンセプト作りにとって大切な3つのこと。
- 「すべてはコンセプトから始まる」
- コンセプトが固まらないと他は無駄になる。
- ストーリーの起点がしっかりしていれば、その後の構成要素は骨太の因果論理が備わる。
- 「誰に嫌われるか」
- 「コンセプトは人間の本質を捉えるものでなくてはならない」
- 人間の本質はたいして変化していない
- 「合理的な愚か者」
- ビジネスはしょせん人間が人間に対してやっていること
- 「本当のところ、誰に何を売るのか」を答えること
- 「すべてはコンセプトから始まる」
- コンセプトが固まらないと他は無駄になる。
- ストーリーの起点がしっかりしていれば、その後の構成要素は骨太の因果論理が備わる。
- 「誰に嫌われるか」
- 「コンセプトは人間の本質を捉えるものでなくてはならない」
第5章 キラーパスを組み込む
- クリティカル・コア:戦略ストーリーの一貫性の基盤となり、持続的な競争優位の源泉となる中核的な構成要素
- 他の様々な構成要素と同時に多くのつながりを持っている
- 一見して非合理に見える。⇒競合他社には「非合理」に見え「やるべきではないこと」のように見える。⇒結果「持続的な競争優位」に!
- 一見して非合理に見えるが、ストーリー全体の文脈に位置付けると強力な合理性を持ち、持続的な競争優位の源泉となる。
- 時間的先行による専有
- ストーリー全部を丸ごとまねすることはできない
- 動機の不在(一見して非合理なので、まねしたいと思わない)
- 部分的には非合理だが、全体的には合理的
- 『バカなる』「バカな」と思わせる非合理の要素がありながらも、成功してみると人々が「なるほど」とうなずく優れた戦略の要諦。
- 「先見の明」外部環境の先取りが前提となっている(外部環境に対して受け身)
- クリティカル・コアは、戦略が有効性を発揮するコンテクストを自ら意図的に作ろうとする。独自の競争優位をつくることができる。
- 優れた戦略ストーリーの競争優位の本質は交互効果にある。
- 一見してすぐにわからないため、競合は見逃してしまう
- その為、競合が模倣しても交互効果は発揮できない
- 逆に従来の強みに支障をきたし差異を増幅させる
- 戦略ストーリーの中のキラーパス
- 非合理で迂遠でバカなことに映る
- →模倣が意図的に忌避される
- →構成要素の交互効果が発揮できない
- →支障をきたし、差が開く
- 自滅の論理:先行するA社の戦略をB社が模倣しようとすることが、B社の戦略の有効性を低下させ、A社との差異を増幅させる。
- Amazon
- 購買動機を売る【SP】
- 購入者のすぐ欲しいを満たすための物流センター(他社からみれば非合理)【OC】
- ストーリーがあれば経営環境の影響を受けにくい
- その業界に解像度が高い人がキラーパスを見抜ける
- 通念が時代に合わなくなってきている、先見(未来)でなく現在と過去からある通念のギャップを見ている。
- 人の本性を見るのが大切。通念との矛盾、業界とのギャップ。
- SPを模倣しても部分最適となり、全体との合理化は進まない為、交互効果は生まれない。
- キラーパスはOC(競合から見えない部分にある)
- SPを支えるOCである為、SPを真似しても部分最適にしかならず自滅
- 他の様々な構成要素と同時に多くのつながりを持っている
- 一見して非合理に見える。⇒競合他社には「非合理」に見え「やるべきではないこと」のように見える。⇒結果「持続的な競争優位」に!
- 時間的先行による専有
- ストーリー全部を丸ごとまねすることはできない
- 動機の不在(一見して非合理なので、まねしたいと思わない)
- 「先見の明」外部環境の先取りが前提となっている(外部環境に対して受け身)
- 一見してすぐにわからないため、競合は見逃してしまう
- その為、競合が模倣しても交互効果は発揮できない
- 逆に従来の強みに支障をきたし差異を増幅させる
- 非合理で迂遠でバカなことに映る
- →模倣が意図的に忌避される
- →構成要素の交互効果が発揮できない
- →支障をきたし、差が開く
- 購買動機を売る【SP】
- 購入者のすぐ欲しいを満たすための物流センター(他社からみれば非合理)【OC】
第6章 戦略ストーリーを読解する
- ガリバーは中古車業界で「買取専門」をコンセプトにすることで低コストオペレーションを実現した。
- 小売(BtoC)をやらないことで、場代、在庫、損切りなどのコストカットを実現。
- 買取を徹底することで、不要なマージ(経費)が必要なくなり、ユーザから高い買取を実現。また小売りを持たないことからオークション(市場)の価格を買取価格へ反映できた。
- 成長戦略は「内向き」考える。「これまで」の自社の戦略ストーリーと成長戦略とのフィットをよく考え、成長戦略が従来のストーリーの自然な延長戦上にあれば戦略ストーリーの強みをそのまま発揮できる。「外向き」は外的な機会に飛びつくことは競合他社も同じように考えている。
- 「一見して非合理」なキラーパスを実行に移す決断(勇気)は、自らの戦略ストーリーに対する「論理的な確信」にしかない。
- 小売(BtoC)をやらないことで、場代、在庫、損切りなどのコストカットを実現。
- 買取を徹底することで、不要なマージ(経費)が必要なくなり、ユーザから高い買取を実現。また小売りを持たないことからオークション(市場)の価格を買取価格へ反映できた。
第7章 戦略ストーリーの「骨法10カ条」
- 戦略論は2つのフェーズに大別できる
- 第一フェーズ「論理化としての読解」
- 戦略ストーリーを構成する要素の間にどのようなつながりがあり、相互作用を起こしたのかを文脈で読みとり論理化する。
- 第二フェーズ「原理原則の抽出」
- 優れた戦略ストーリーの読解を重ねることで共通の論理を見つけることができる。失敗する戦略が陥りやすい落とし穴も。⇒戦略ストーリーの『骨法10カ条』
- 骨法その一 エンディングから考える
- 戦略の目的は長期利益の実現(エンディング)。
- エンディングを固めるには「競争優位」と「コンセプト」をイメージする。
- エンディングを先に固める理由は、戦略ストーリーの優劣の基準が「一貫性」にあるから。
- 競争優位性は単純
- WTPを上げる(顧客が支払いたいと思う水準)
- コストを下げる
- 無競争状態に持ち込む(通常はニッチへの特化)
- ただこれだけではエンディングとして不十分、顧客に価値を提供しなければならない。
- 戦略の「ゴール」は長期利益。「ゴール」を「目標」と「目的」に分けて考える。
- 「目標」:長期利益
- 「目的」:コンセプト→ストーリー実現に係る人々が自ら主体的にコミットするべきゴール
- 優れたコンセプトは、ターゲット顧客をはっきりさせるだけでなく、人々の心と体の「動き」を頭の中でよくイメージする必要がある。どのような状況、同期で製品やサービスと関わり、使用し、結果としてどのように喜ぶのか。一連のストーリーを頭の中で繰り返しイメージし、ターゲット顧客の「動き」を細部までリアルに思い浮かべる。
- コンセプトは判断に迷ったり、行き詰った時に、常に立ち戻ることができる何かでなくてはならない。
- 骨法その二 「普通の人々」の本性を直視する
- コンセプトとして、「誰かを喜ばせる」には「誰かに嫌われるか」とう視点が必要。
- 「普通の人々」の「本性」を直視することが大切。
- コンセプトは「今そこにある価値」を捉えるもの。「将来のニーズ」「先進的」なコンセプトは良くない。
- 人間の本性・欲求はそう簡単に変わらない。
- 「言われたら確実にそそられるけども、言われるまでは誰も気づかない」が最高のコンセプト。
- 骨法その三 悲観主義で論理を詰める
- 「シナジー」という言葉を疑う。本当に相乗効果はあるのか?
- ストーリーを都合よく考えてはいけない。きちんとした因果論理でストーリーを考えるには悲観主義ぐらいがちょうど良い。
- リーダーやマネジメントがストーリーの実行にかかわる人々の動きについて、リアルなイメージを思い浮かべないといけない。
- 顧客だけでなく、戦略の実行を担う様々な人々の心や体の動きをリアルにイメージする。
- ホットペッパー「プチコン(プチコンサルティング)」「一人屋台方式」の事例。⇒分業すれば流れが切れ、モチベーションも切れる。
- 「悲観主義」は「弱者の論理」、ヒト・モノ・カネの制限に苦しんでいるので、弱いストーリーを打ち出す余裕はない。
- 骨法その四 物事が起こる順序にこだわる
- ビジネスモデルが戦略の構想要素の空間的な配置形態に焦点を合わせているのに対し、戦略ストーリーは打ち手の時間的展開に着目している。
- 時間軸に沿った因果論理。共変関係(AとBが連動する)だけでなく時間的先行性がある。
- 骨法その五 過去から未来を構想する
- 事業の成長は非連続的な「革命」よりも連続的な「進化」の結果。
- それまでのストーリーとフィットするかしないか、ストーリーの延長上の乗るか。フィットを考えると何でもかんでも手を出せない。
- 骨法その六 失敗を避けようとしない
- 未来が定義からして不確実である以上、失敗はさけれない。避けれないものを避けようとすると、その時点で立ち止まり前に進めない。
- 唯一可能な手は、試行錯誤を重ね、ストーリーを修正していく実験的なアプローチのみ。
- ビジネスでの失敗は失敗が分かりにくい。
- 戦略ストーリーの中で失敗を定義しておくことが大切。
- 骨法その七 「賢者の盲点」を衝く
- 一見すれば非合理だが、ストーリー全体の文脈に置いてみれば一貫性と独自の競争優位の源泉となる。部分の非合理を全体での合理性に転化する。
- 他社と違ったことをやらなければ優位性を築けないが、合理性だけでは他社に先行できない。
- 構成要素の一段上のシンセンス(綜合)のレベルで戦略的ジレンマを解決する。
- 他社からすると非合理な部分は模倣しようとは思わない、距離をとる為、違いを持続させられる。
- 賢者の盲点を衝くには業界の「信念」や「常識」を疑うこと。
- 骨法その八 競合他社に対してオープンに構える
- 本当に優れたストーリーであれば、模倣の脅威は大きくない。ストーリーの交互効果という強みまで手に入れることは困難。
- 非合理なキラーパスによって競合は自滅の論理が働く。
- 自分達の世界観で優れた戦略ストーリーが描けているからこそ、オープンにできるのであろう。その世界観に到達しない限り、本当の競合とは言えない。
- 骨法その九 抽象化で本質をつかむ
- 情報に接する際は、Whyを考える癖が大切。
- 具体的事象の背後にある論理を汲み取って抽象化する。
- 抽象化することによって、初めて汎用的な知識ベースとなる。
- 汎用的な論理を自分の文脈で具体化することによって、ストーリーに応用することができる。
- 抽象化はアルゴリズムとプログラムに似ている。
- 考えるということは抽象化と具象化を繰り返すことだろう。
- 骨法その十 思わず人に話したくなる話をする
- 優れたストーリーの条件は、そのストーリを話している人自身が「面白がっている」とうこと。
- その人の頭の中ではストーリーを構成する決めごとや打ち手が論理で無理なくつながっている。
- ストーリーを語ることで人・組織を動かす。
- ある企業は製品ごとに一番詳しい社員をオーナーと任命、語るオーナーの製品が一番売れた。
- 教養がないとビジネスを考えれない。
- 言葉を編む(考える)には知識・リベラルアーツが必要。
- すぐれた語り手は一人称で語り、言葉を借りても代弁はしない。
- 一番大切なこと
- ストーリーの根底に抜き差しならない切実なものがある。
- 切実なもの=「自分以外の誰かのためになる」
- 優れた戦略ストーリーの根底には、誰かを喜ばせたい、人々の問題を解決したい、役に立ちたいという切実なものが流れている。
- 第一フェーズ「論理化としての読解」
- 戦略ストーリーを構成する要素の間にどのようなつながりがあり、相互作用を起こしたのかを文脈で読みとり論理化する。
- 第二フェーズ「原理原則の抽出」
- 優れた戦略ストーリーの読解を重ねることで共通の論理を見つけることができる。失敗する戦略が陥りやすい落とし穴も。⇒戦略ストーリーの『骨法10カ条』
- 戦略の目的は長期利益の実現(エンディング)。
- エンディングを固めるには「競争優位」と「コンセプト」をイメージする。
- エンディングを先に固める理由は、戦略ストーリーの優劣の基準が「一貫性」にあるから。
- 競争優位性は単純
- WTPを上げる(顧客が支払いたいと思う水準)
- コストを下げる
- 無競争状態に持ち込む(通常はニッチへの特化)
- ただこれだけではエンディングとして不十分、顧客に価値を提供しなければならない。
- 戦略の「ゴール」は長期利益。「ゴール」を「目標」と「目的」に分けて考える。
- 「目標」:長期利益
- 「目的」:コンセプト→ストーリー実現に係る人々が自ら主体的にコミットするべきゴール
- 優れたコンセプトは、ターゲット顧客をはっきりさせるだけでなく、人々の心と体の「動き」を頭の中でよくイメージする必要がある。どのような状況、同期で製品やサービスと関わり、使用し、結果としてどのように喜ぶのか。一連のストーリーを頭の中で繰り返しイメージし、ターゲット顧客の「動き」を細部までリアルに思い浮かべる。
- コンセプトは判断に迷ったり、行き詰った時に、常に立ち戻ることができる何かでなくてはならない。
- コンセプトとして、「誰かを喜ばせる」には「誰かに嫌われるか」とう視点が必要。
- 「普通の人々」の「本性」を直視することが大切。
- コンセプトは「今そこにある価値」を捉えるもの。「将来のニーズ」「先進的」なコンセプトは良くない。
- 人間の本性・欲求はそう簡単に変わらない。
- 「言われたら確実にそそられるけども、言われるまでは誰も気づかない」が最高のコンセプト。
- 「シナジー」という言葉を疑う。本当に相乗効果はあるのか?
- ストーリーを都合よく考えてはいけない。きちんとした因果論理でストーリーを考えるには悲観主義ぐらいがちょうど良い。
- リーダーやマネジメントがストーリーの実行にかかわる人々の動きについて、リアルなイメージを思い浮かべないといけない。
- 顧客だけでなく、戦略の実行を担う様々な人々の心や体の動きをリアルにイメージする。
- ホットペッパー「プチコン(プチコンサルティング)」「一人屋台方式」の事例。⇒分業すれば流れが切れ、モチベーションも切れる。
- 「悲観主義」は「弱者の論理」、ヒト・モノ・カネの制限に苦しんでいるので、弱いストーリーを打ち出す余裕はない。
- ビジネスモデルが戦略の構想要素の空間的な配置形態に焦点を合わせているのに対し、戦略ストーリーは打ち手の時間的展開に着目している。
- 時間軸に沿った因果論理。共変関係(AとBが連動する)だけでなく時間的先行性がある。
- 事業の成長は非連続的な「革命」よりも連続的な「進化」の結果。
- それまでのストーリーとフィットするかしないか、ストーリーの延長上の乗るか。フィットを考えると何でもかんでも手を出せない。
- 未来が定義からして不確実である以上、失敗はさけれない。避けれないものを避けようとすると、その時点で立ち止まり前に進めない。
- 唯一可能な手は、試行錯誤を重ね、ストーリーを修正していく実験的なアプローチのみ。
- ビジネスでの失敗は失敗が分かりにくい。
- 戦略ストーリーの中で失敗を定義しておくことが大切。
- 一見すれば非合理だが、ストーリー全体の文脈に置いてみれば一貫性と独自の競争優位の源泉となる。部分の非合理を全体での合理性に転化する。
- 他社と違ったことをやらなければ優位性を築けないが、合理性だけでは他社に先行できない。
- 構成要素の一段上のシンセンス(綜合)のレベルで戦略的ジレンマを解決する。
- 他社からすると非合理な部分は模倣しようとは思わない、距離をとる為、違いを持続させられる。
- 賢者の盲点を衝くには業界の「信念」や「常識」を疑うこと。
- 本当に優れたストーリーであれば、模倣の脅威は大きくない。ストーリーの交互効果という強みまで手に入れることは困難。
- 非合理なキラーパスによって競合は自滅の論理が働く。
- 自分達の世界観で優れた戦略ストーリーが描けているからこそ、オープンにできるのであろう。その世界観に到達しない限り、本当の競合とは言えない。
- 情報に接する際は、Whyを考える癖が大切。
- 具体的事象の背後にある論理を汲み取って抽象化する。
- 抽象化することによって、初めて汎用的な知識ベースとなる。
- 汎用的な論理を自分の文脈で具体化することによって、ストーリーに応用することができる。
- 抽象化はアルゴリズムとプログラムに似ている。
- 考えるということは抽象化と具象化を繰り返すことだろう。
- 優れたストーリーの条件は、そのストーリを話している人自身が「面白がっている」とうこと。
- その人の頭の中ではストーリーを構成する決めごとや打ち手が論理で無理なくつながっている。
- ストーリーを語ることで人・組織を動かす。
- ある企業は製品ごとに一番詳しい社員をオーナーと任命、語るオーナーの製品が一番売れた。
- 教養がないとビジネスを考えれない。
- 言葉を編む(考える)には知識・リベラルアーツが必要。
- すぐれた語り手は一人称で語り、言葉を借りても代弁はしない。
- ストーリーの根底に抜き差しならない切実なものがある。
- 切実なもの=「自分以外の誰かのためになる」
- 優れた戦略ストーリーの根底には、誰かを喜ばせたい、人々の問題を解決したい、役に立ちたいという切実なものが流れている。
【蓋然性】がいぜんせい - その事柄が実際に起こるか否か、真であるか否かの、確実性の度合。また、蓋然的であること。【収斂】しゅうれん - 一つにまとまること。また、まとめること。集約。【知悉】ちしつ - ある物事について、細かい点まで知りつくすこと。【凡百】ぼんぴゃく- もろもろ。いろいろ。【空疎】くうそ - 形だけで、実質的ななかみがないこと。【喧伝】けんでん - 世間に言いはやし伝えること。盛んに言いふらすこと。【生産財】せいさんざい - 原材料や部品、設備品など生産のために使用される製品。【標榜】ひょうぼう - 主義主張などをかかげて公然と示すこと。【鬱積】うっせき - 不平・不満が晴らされずに次々と、心に一杯たまること。【知悉】ちしつ - 知りつくすこと。細かい点まで知っていること。【乾坤一擲】けんこんいってき - 運を天にまかせて、のるかそるかの大勝負をすること。【耳目】じもく - 耳と目。見聞きすること。【喧伝】けんでん - 世間に言いはやし伝えること。盛んに言いふらすこと。【社債】しゃさい - 会社が資金調達を目的として、投資家からの金銭の払込みと引き替えに発行(起債)する債券である。【妙味】みょうみ - 言うに言われない、いい味・趣。【模様眺め】もようながめ - 相場の見通しがたたないため、売り買いをせず様子を見ていること。【併存】へいそん - いくつかのものが共に存すること。共存。【先見の明】せんけんのめい - 将来を見据える力【旗艦店】きかんてん - ブランドや店舗業態を象徴する店【継手】つぎて - 2つの部分を接合する構造の総称【突飛な】とっぴな - 常識からひどく外れていて、人々があっと驚くようなさま。【鷹揚】おうよう - ゆったりとしてこせこせしない様子。おっとりとして上品なこと。【含蓄】がんちく - 表現が、ある意味を含みもつこと。【喪失】そうしつ - なくすこと。失うこと。【薄弱】はくじゃく - 弱くて、しっかりしていないこと。【訥々】とつとつ - 話し方が流暢でなく、途切れ途切れの喋る様子持続可能利益(SSP:Sustainable Superior Profit)
【蓋然性】がいぜんせい - その事柄が実際に起こるか否か、真であるか否かの、確実性の度合。また、蓋然的であること。
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