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書籍レビュー 『ノルウェーの森』 村上春樹

@tamu222iさんに薦められ本の感想を書くことに。

私は人の死に直面したことが少ない。両親も兄妹も健在であり、親戚に関しても物心がついてから亡くなった人は少ない。
ただ自殺した人は私の周りに二人いる(この数は多いのであろうか?)。

一人目は私が20代前半の時に会社の新入社員が自殺をした。
特にかかわりがなかった為、私は普通に仕事をした気がする。
その後、席替えがあり、私は自殺した新入社員の机を使うことになった。当時の上司が「机を新しいものに変えようか?」っと言ったのを覚えている。
私はこのままでいいと言ってその机を使い続けた。その後、私は異動になった為、今その机の主が誰なのかは知らない。

二人目は幼馴染の女の子であった。私は20代後半だった。
田舎の小さな村育ちの私には五人の同級生がいた。女子が四人、男子一人だ。
彼女はその中の一人だった。特別、仲が良かった訳でもなく、会えば話す程度だった(田舎なので、中学までは色々な機会で嫌でも会うのだ)。
白く細い大人しい人であった。ただ時々、気を許す人には面白ことをボソっと話した。
高校卒業後は全く会っていなかった。
彼女の死の理由はあまり聞きたくなかった。
葬式を終えた後、さすがにその時は死について考えさせられた。
ただ死を選ぶしかなかったのか、楽に行けただろうか、そして最後には死とは無であるっといった答えを自分なりに導きだした。

前置きが長くなったが、この本は主人(ワタナベ)の親友が原因不明の自殺をしたことから、ワタナベと親友の彼女(直子)を取り巻く「生と死」、「大人への成長」、「愛のかたち」について描かれている。
最愛の人を亡くし、生き続けなければならない現実。
そして薄れていく記憶と他の人に心を奪われていく罪悪感。
ワタナベと直子が『死』をイメージさせる一方、大学のガールフレンド(緑)との関係は『生』をイメージさせる。
性的描写が多い作品であるが、注意深く見るとそれぞれの行為に意味を持っている。
愛情としての行為、自分との関係を繋ぎとめる為の行為、虚しさを埋める為の行為、生きていく決意の行為。

一度読んだだけでは、理解できなさそうだ。
ただ村上氏の風景や自然の描写は目に浮かぶようで、気に入っている。
同じ関西出身だからであろうか?

そしてこの本を読んで人の死とは多かれ少なかれ、周りの人を巻き込んでしまうものだと思わされた。




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